コロナ禍は、プラント資機材調達を変えたか?

 昨年初めから、世界は新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた。中国で発生した感染症は欧州に飛び火し、やがて世界各地に広がった。この感染症により、プラントの資機材調達も影響を受けた。バルブメーカーは中国から鋳物を調達できなくなり納期遅れを引き起こし、状況が改善されると、輸送のための船の確保が困難になった。こうした中で、一部のエンジニアリング企業は調達ルートの多様化に向かった。調達のサプライチェーンを大きく変える必要はないかもしれないが、今後のリスク管理には、パンデミックへの対応策が求められるようになったのは間違いない。

【総 論】
 コロナ禍はプラントの資機材調達を変えたか
 BCPの観点から求められるソースの多様性

【千代田化工建設】
 PMを活かした調達で効率を向上
 コロナでは想定外の影響、再認識されたベンダーとの直接コンタクトの重要性

【東洋エンジニアリング】
 ジャストインタイムを実現する理想的な調達を目指す
 調達の競争力強化に海外拠点を有効活用

【日揮グローバル】
 コロナで事業環境は激変、矢継ぎ早に対応策
 今後の課題は全社的競争力に応える調達体制の確立

【東レエンジニアリング】
 グループで調達を一元化、効率向上を図る
 特定ベンダーとの信頼関係を重視

【三菱重工環境・化学エンジニアリング】
 国内調達主体で、コロナの影響は軽微
 新規ベンダー開拓で、確実かつ効率的な調達を目指す

【JFEエンジニアリング】
 コロナの影響は軽微も、今後の課題は輸送手段の確保
 独自開発の調達システムで、業務をスマート化



 (Vol.484 2021年3月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部