プロジェクト全体最適と調達

 かつて「調達」は「買物」だったかもしれない。しかし顧客はプラントのライフサイクルへの意識を高めるなど、単に設備投資の瞬間のみに関心があるわけではない。そのランニングコストやライフサイクルコストにも関心がある。こうした顧客の志向に伴い、調達は単なる「買物」として捉えるのではなくなってきた。プロジェクトやプラントのライフサイクルといった全体最適を意識した調達が求められるように変わってきた。全体最適を意識した調達についてレポートする。

【総 論】
 プロジェクト全体最適と調達
 調達システムの構築では設計部門とベンダーとの連携を重視

【千代田化工建設】
 EPC全体を通じてメリットのある調達を目指す
 究極では利益を生み出す調達部を作る

【東洋エンジニアリング】
 KKDからID調達へシフト
 コロナ対策で機器の検査にもIT活用

【日揮グローバル】
 顧客のOPEX意識の高まりに対応した調達を目指す
 LNGプロジェクトではモジュール工法への対応で納期を厳格化

【東レエンジニアリング】
 重視されるグループ調達、今後はベンダーとの協業を意識
 ベンダー選定では品質を重視、RPA導入で効率化も視野

【日鉄エンジニアリング】
 エンジニアリングITの連携で、調達業務を効率化
 目下の課題は、安定調達の継続

【三菱重工環境・化学エンジニアリング】
 コロナ影響も、海外新規ベンダー開拓に力点
 課題はITインフラの充実



 (Vol.462 2020年3月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部