プラント貿易アウトルック2017

 日本機器輸出組合が発表した「2017年度 海外プラント・エンジニアリング成約実績」によれば、同年度の成約実績は16.6%減の142.1億ドルとなった。成約実績はこの10年間で下から2番目だが、地域別ではアジア、機種別では発電プラントがいずれもシェア6割以上となった。インドネシア向けに大型石炭火力発電プラントの成約があったのが、実績にも反映された。しかし、石炭火力発電への世界の風当たりは強い。脱石炭火力が求められる昨今、わが国の海外プラント・エンジビジネスはどこに向かうのか。考えさせられる実績となった。



【総 論】
 2017年度海外プラント・エンジニアリング成約実績は16.6%減の142.1億ドル
 地域別ではアジア、機種別では発電プラントが中心


【国際協力銀行 執行役員 業務企画室長 谷本 正行 氏】
 承諾実績は半減も、インフラ支援など質的に拡充
 今期はLNGプロの受注に期待、2兆円の予算を確保


【日本貿易保険 執行役員 営業第二部長 大井 麻理 氏】
 2017年度は輸出向け引受の増加により15%増
 今年度は資源価格の回復背景に、アフリカ向け案件の増加に期待


【千代田化工建設 執行役員 営業本部長 松井 英夫 氏】
 前期は受注低迷も、今期は市場環境の回復を実感
 LNGプロジェクトなど受注目標額8,000億円、北米・モザンビークに期待


【東洋エンジニアリング 取締役・常務執行役員 プラント事業本部長 阿部知久氏】
 危機感を持って臨んだ2017年度には受注高3,000憶円超で目標達成
 今期も海外現法を含むTOYOグループで展開


【日揮 取締役・専務執行役員 営業本部長 古田 栄喜 氏】
 2017年度は「タガを締める」で慎重な受注に終始
 引き続き、適正利益確保を重視した受注を継続


【日立造船 執行役員 環境事業本部グローバル事業統括部長 井部 隆 氏】
 中国・トルコでゴミ発電、オーストラリアで水処理設備を受注
 事業投資を含め、プラントライフサイクルに事業領域を拡大


【JFEエンジニアリング 常務執行役員 環境本部海外事業部長 阿部 吉郎 氏】
 アジアでゴミ発電、水処理、化学プラントを受注
 現地法人を活用し、プラントのライフサイクル事業へ


【2017年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)


 (Vol.425 2018年7月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部