転換期にある医薬品エンジニアリング

 医薬品の製造プラントのエンジニアリングは、エンジニアリング業界にとって、一定の規模を持った重要な市場だ。この市場は最近まで、ジェネリック医薬品メーカーの設備投資に牽引されてきたが、政府の進める「ジェネリック比率80%」という目標の達成が見えてきたことから、最近は設備投資に一服感がある。こうした中で注目されるのが、薬効の高い高分子医薬品と幅広い病気に使えるが薬効は低い低分子医薬品の中間に位置する中分子医薬品だ。この新市場を取り込むところが当面の勝者になりそうだ。

【総 論】
 ジェネリック医薬品の設備投資が端境期、設備投資に停滞感
 本格化し始めた中分子医薬品向け設備投資で千代田が実績

【IHIプラントエンジニアリング】
 原薬主体にバイオ医薬品製造設備にも対応
 今後は連続生産設備を強化

【鹿島建設】
 医薬品エンジで海外企業を買収、将来的には売上高の40%を海外で
 海外市場攻略の先駆的存在に

【大成建設】
 自動化・省人化設備の売込に重点
 連続生産設備の提案にも取組強化

【千代田化工建設グループ】
 自他ともに認める、医薬品製造プラントのトップコントラクターに躍進
 中分子医薬品製造プラントで相次ぐ実績

【テックプロジェクトサービス】
 原薬製造設備を主力に事業展開
 「品質」「環境・安全」「コスト」のベストミックスを提案

【東レエンジニアリング】
 スマート工場の提案に活路、IoT・ビッグデータ解析も活用
 顧客には適切な生産管理システムを提供

【日 揮】
 双璧の一角をライバル千代田に明け渡すも、実績武器に復権狙う
 海外でも将来の市場を見据え、的確に布石


 (Vol.424 2018年6月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部