プラント貿易アウトルック2016 |
2016年度、わが国の海外プラント・エンジニアリング成約実績は41%増の170.3億ドルとなった。4割増は一見、市場の回復を感じさせるが、成約実績の水準は、2008から2009年度のリーマンショックの時期と同水準。回復したという実感はない。長引く低水準の原油価格は、主に産油国のプロジェクト市場から活力を奪い、プロジェクトを牽引するのは、東南アジアの経済成長と、それに伴う、生活水準の向上だ。2016年度の成約実績は、プロジェクトの牽引役が、エネルギーから生活水準へと代わったことを意味している。
【総 論】
2016年度海外プラント・エンジニアリング成約実績は41.3%増の170.3億ドル
数字的には回復も、引き続き低水準
【国際協力銀行 執行役員 業務企画室長 谷本正行 氏】
前年度出融資・承諾額は減少、否めない油価下落の影響
特別業務の開始と債権流動化の実施、公的金融機関としての業務を拡大
【日本貿易保険 営業第二部長 大井麻理 氏】
引受額減少傾向を電力・インフラ案件が下支え
株式会社化でも保険引受の原則は不変、意思決定に透明性を確保
【千代田化工建設 執行役員営業本部長 松井英夫 氏】
北米のLNGと石化コンプレックスへ布石
ネシア銅精錬プロなど、アジア地域でEPC受注に期待
【東洋エンジニアリング 取締役常務執行役員・プラント事業本部長 阿部知久 氏】
前期受注高は予想の半分以下、油価低迷の影響受ける
今期は印肥料プロなどの受注に全力
【日揮 取締役専務執行役員 営業本部長 古田栄喜 氏】
低水準の油価の影響を受け、前期は受注目標に届かず
今期はエネルギーとインフラを両輪に受注高7,500億円目指す
【日立造船 執行役員 環境事業本部グローバル事業統括部長 井部 隆 氏】
中国・タイでゴミ発電プラントを連続受注
プラントライフサイクル事業にも対応
【プライメタルズ テクノロジーズ ジャパン 営業統括部長 岩崎剛士 氏】
高級綱需要で設備投資が回復
プライメタルズの総合力を発揮
【三菱商事 新エネルギー・電力事業本部 海外電力プラント部長 小濱雅典 氏】
中央アジアでGTCC2件、ケニアで地熱発電を受注
送配電バランス念頭に地域に即したアプローチに注力
【2016年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)
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