市況低迷でもフードセキュリティ重視で動く肥料プロジェクト

世界人口は今後も増加するが、これに伴い、食料の増産が必要になる。食糧増産に必要なのが肥料だ。このため、肥料の需要は今後も増加しそうだ。しかし現在は、中国の景気低迷に伴い、中国産の肥料が輸出に回され、市況を下げている。しかし、市況が悪くても、肥料プラントの建設プロジェクトは具体化する。理由はフードセキュリティの観点で政策的にプロジェクトが動くからだ。しかも肥料には高温高圧技術が求められるため、エンジニアリング企業にも独特のノウハウが求められる。このため、日本のエンジニアリング企業やプラントメーカーに優位性がある。見逃せない事業分野だ。

【総 論】
 市況低迷でもフードセキュリティ重視で動く肥料プロジェクト
 高温高圧下で求められる高度技術、プラント市場は「聖域化」

【東洋エンジニアリング】
 TOYO、尿素製造のオウン技術でプロセス開発・改善、材料開発でも成果
 創業以来、肥料プラントと深いかかわり、プロセスオーナーとしても活躍

【日立造船】
 肥料プラント向け圧力容器のパイオニア、日立造船
 1930年代から圧力容器5,500基を納入、今後は検査・補修サービスにも注力

【一ノ瀬】
 高温・高圧下のバルブアレンジに対応する一ノ瀬
 独自開発の「エスペロパッキング」技術で流体を完全閉止


 (Vol.386 2016年10月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部