プラント貿易アウトルック 2014

 2014 年度、わが国の海外プラント・エンジニアリング成約実績は過去最高の287.1 億ドルに達した。ところが成約件数は2007 年以降最低の512 件にとどまった。このことは、プロジェクト1件あたりの規模が拡大していることを反映しているが、ロシア向け大型LNGプラントの成約が成約実績にも影響を与えた。一方、海外調達比率は過去最高の69.4%。アベノミクス効果で2014 年度は円安傾向だったが、大型のLNGプラントの成約が海外調達比率を引き上げたと見られる。LNGプラントでは、主要機器の多くが欧米で調達されることが海外調達の増加に影響した。LNGプラントが成約実績に与える影響は大きい。

【総 論】
 2014年度海外プラント成約実績、過去最高の287.1億ドル
 エネルギープラントが牽引、海外調達比率は7割に

【エネルギー・化学プラント】
 エネルギー・化学プラント、ともに高水準
 エネルギーではロシア、化学ではアジアとCISで大型成約

【重電プラント】
 市場競争の激化でプラント輸出額は前年度比33%減
 アジアの大型案件停滞も、各地域で高効率石炭火力を受注

【鉄鋼、生活関連・環境プラント】
 鉄鋼では高級鋼ライン、生活関連・環境プラントではアジア・欧州で実績
 環境プラントでは、事業の現地化が奏功

【2014年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)


 (Vol.359 2015年7月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部