TEC、特殊ビスフェノールプラントをドイツに完工
Redo最少化で、高生産性を実現

 プロジェクト失敗の原因の一つに顧客とのコミュニケーションの問題がある。失敗プロジェクトの遂行状況を聞くと顧客と冷戦状態になっていることも少なくない。プロジェクトが成功するためには、顧客とのコミュニケーションを良好に維持するという基本が何よりも重要だ。TECがドイツの建設した特殊ビスフェノールプラント建設プロジェクトでは、こんな基本が忠実に実践された。

 「Redo(やりなおし)ワークをしない」 

 東洋エンジニアリング(TEC)が本州化学などによる合弁企業ハイビス社(Hibis Gmbh)から受注した特殊ビスフェノールプラント建設プロジェクトの大きな目標は無駄な「やりなおし」作業の排除だった。「やりなおしの排除」と一言でいうのは簡単だが、実際のプロジェクトでは「やりなおし」が収益を圧迫することも珍しくない。が、プロジェクト初期段階のフロントローディングを重視するなど基本を忠実に実行することで、この「やりなおし」の排除は可能だ。それを実践したのが、TECがこのほど完工したハイビス社向け特殊ビスフェノールプラント建設プロジェクトだった。

(vol.123 2004.10.25号)

重化学工業通信社
ENN編集部