木質バイオマス発電の最前線
進む技術開発、待たれる回収・利用体制の整備

 発電プラントメーカー各社による、バイオマス発電関連の技術開発が活発に展開されている。そのきっかけの一つは、2003年4月の新エネルギーの導入促進を目的とした「電気事業者による新エネルギーの利用に関する特別措置法案」(通称RPS法)の施行だ。新エネルギー導入促進法とも言えるRPS法の施行で、電力会社は一定量をバイオマス発電などの新エネルギーによって発電するか、あるいは新エネルギーにより発電された電気を購入しなければならなくなった。加えて、2002年12月にはバイオマス資源の有効活用を目的とした6省庁横断プロジェクト「バイオマス・ニッポン」が閣議決定されるなど、バイオマス資源の有効活用を後押しする動きは政府サイドで活発に展開された。政府の新エネルギー促進の背景には、1990年比で6%のCO2削減を求めた京都議定書の批准もある。新技術は、この機会をビジネスチャンスに展開できるか、メーカー各社の動きを追った。

(vol.107 2004.2.10号より)

重化学工業通信社
ENN編集部